学力アップの基本はインプットの仕方と量です。
どんなに素晴らしい脳を持っていたとしても、勉学そのものに接しなければ学力が向上するということは考えられません。
勉強時間を増やしたり学習の質を高めることが一般的に学力の向上に繋がると考えられています。
そのためには学習塾に通うこと、家庭での学習時間を増やすこと、家庭教師に教えてもらうことなどがあり、それらの選択によっても学力に差が出てきます。
ある二人がいて、同じ勉強法をしていたのに学力に差が出る場合、その原因として学習時間という量と、学習に向かった態度という質が問われることが多いと思います。
もし、まったく同じ人が二人いて、その二人がまったく同じ勉強法と学習態度で、同じ学習時間を費やしたら同じ学力を身につけるでしょう。
しかし、その二人のうちの一人が途中から何かしらの影響で脳の状態が良くなったら…
脳の状態が良くなった一人は学習内容の定着がスムーズになり、徐々に学力に差が出てくるはずです。
例えば、疲れを取る方法、睡眠の質を上げる方法を上手に取り入れることができたら、脳の状態を改善することに繋がっていくでしょう。
また、サプリメントなどで不足している栄養を補うことも、脳の状態を良くすることに繋がっていくと考えられます。
ビタミンB12には学力を向上させる直接の働きはありませんが、脳の状態を良くする働きがあります。
学習内容が定着しやすい脳にバージョンアップするような効果を期待できるのが、ビタミンB12という栄養素なのです。
ではビタミンB12のどのような働きが脳の状態を良くすると考えられるのでしょうか。
学力向上へ効果を期待できるビタミンB12の働き
幅広い働きを持つビタミンB12によって、学習能力の向上に大きな期待が持てます。
学習能力の向上という観点で考えた時にビタミンB12が脳にどのように関わっているか見ていきましょう。
ビタミンB12によるシナプス形成の促進
脳の中は細胞同士が情報を伝達し合っています。
脳細胞と脳細胞の関所のような所をシナプスと言いますが、ビタミンB12はシナプスの形成に関わっていると考えられています。
ビタミンB12によってシナプスが形成されやすくなり、シナプスが密になることで、脳の中のネットワークの状態が良くなって情報の伝達がスムーズになります。
そして、シナプスの形成が進むと記憶の定着が進みやすくなると考えられています。
脳の状態を健全に保つためのビタミンB12
細胞は設計図である核酸を基にたんぱく質の合成が進むことで作られます。
脳の中の状態を良くするためにも、核酸とたんぱく質が正常に合成されることが望ましいと考えられています。
ビタミンB12は、核酸とたんぱく質の正常な合成に重要に関わっているので、脳の状態を健全に保つために重要になる栄養素です。
神経伝達物質を合成することで記憶力の向上に繋がる
脳内で行き交う情報を神経伝達物質と言いますが、その神経伝達物質を合成する働きを持っているのがビタミンB12です。
とくに記憶の神経伝達物質と言われるアセチルコリンを合成する働きを持つので、ここでも記憶力の向上に効果を見込めるのです。
血管の状態を良くして脳に栄養が届きやすくする
ビタミンB12は動脈硬化の原因となるホモシステインを減少させることに重要に関与しています。
動脈硬化は血管の状態を悪くしていきますので、栄養が体のすみずみまで届きにくくなることも考えられます。
ビタミンB12によって、血管の状態が良くなれば、脳に栄養を届けやすくすることも期待できます。
自律神経を整えることで脳の状態を改善する
寝つきが悪くて睡眠時間が短くなってしまったりすると、脳の状態は悪くなってしまい、学習の効率が悪くなってしまいます。
睡眠には自律神経が大きく関わっていると言われています。
ビタミンB12は自律神経系を整えることに関わっていますし、さらに時差ボケの改善にも使われていて、不眠に効果があるということが分かっている栄養素です。
ビタミンB12の働きによって睡眠の質が改善されると、脳の状態も良くなります。
自律神経を整える働きによって交感神経と副交感神経の切り替えもスムーズになり、集中力アップも期待できます。
学習能力を向上させるには脳の状態を良くすること
このようにビタミンB12の働きは脳の状態に大きく関わっています。
ビタミンB12は脳のビタミンや記憶のビタミンとも言われているのです。
ビタミンB12によって脳の状態を改善することで、記憶力、集中力の向上、そして学力アップが期待できるというわけです。
ちなみに国立健康・栄養研究所のホームページにビタミンB12が不足することで起こる症状として記憶障害が挙げられています。
ビタミンB12が記憶にとって重要だということは、多くの研究でも認められているのです。