ビタミンB12は基本の栄養素であるビタミンの一つですから、身体の健康維持に非常に重要な要素を持ち合わせています。
ビタミンB12の特徴を踏まえて効果的に摂取することで、老若男女を問わず嬉しい健康効果が期待できます。
しかし、ビタミンB12は摂取量によって期待できる効果が変わってくるので、目的に合わせてビタミンB12の量に注目して選ぶことが重要になってきます。
ビタミンB12のサプリメントや健康食品を選ぶ際は、目的に合った量か注意してみてください。
ビタミンB12を摂取する目的は?
ビタミンB12に限らずですが、栄養摂取の目的は2つあると思います。
1つは欠乏症を防ぐ最低ラインの量を摂取すること。
2つ目は健康効果を得るための量を摂取することです。
五大栄養素と言われる、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルに関しては、厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準によって、必要な量が推奨量や目安量などの名目で示されています。
欠乏を防ぐ量とは食事摂取基準に掲載されている推奨量や目安量が基準になると考えられます。
・推奨量
ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。
・目安量
推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量である。
目的に合わせたビタミンB12の摂取量はどれくらいか?効果的な摂取量とは?
日本人の食事摂取基準2015年版によりますと、ビタミンB12の推奨量は18歳以上の男女で、1日2.4μgです。
この量は欠乏症を防ぐ最低ラインと考えられていて、その欠乏症とは悪性貧血という現代ではほとんど起こりにくい病気のことです。
ビタミンB12の推奨量の2.4μgですが、さんま一匹の可食部分がおよそ100g前後でビタミンB12を17μgほど含有していますので、推奨量分は普段の食事からで十分摂取できると考えて良さそうです。
次に健康効果を得るための量とはどれくらいかということですが、ビタミンB12の健康効果で末梢神経の修復のためには500μgが目安となります。
末梢神経の障害の際に病院で処方される薬のビタミンB12の量も多くの場合で500μgです。
そして、脳などの中枢神経への効果を期待するためには1,000μg以上の量が必要と言われています。
ビタミンB12の効果は色々な所で紹介されていますが、脳への効果が期待できる量と合わせて紹介している所は多くありません。
ですので、わずかな摂取量でも脳への効果があると思われている方も少なくないようです。
しかし、一度に1,000μg以上摂取しなければ脳などの中枢神経への効果は期待できないというわけです。
そして、このビタミンB12の健康効果を得るための1,000μg以上の摂取量となると、食品からの摂取では到底不可能です。
ビタミンB12を多く含む食品に牛のレバーがありますが、100gでビタミンB12を52.8μgほどしか含んでいません。
ですので、脳などの中枢神経系への効果を期待するためには、サプリメントや健康食品で摂取するしかありません。
さらに、ビタミンB12はさまざまな栄養素と相乗的に働くビタミンです。
とくにビタミンB群は相互作用が強い栄養素ですので、ビタミンB12の効果を充分に得るためにはビタミンB群をはじめとした栄養素と一緒に摂取することが望ましいと考えられています。
サプリメントなどでビタミンB12を摂取する際は、少なくとも葉酸が配合されていることは必須ですし、相性の良い栄養素が配合されていると、さらに効果が期待できるでしょう。
体の状態によって栄養素を摂取する目的は変わってくると思います。
ビタミンB12は摂取量によって期待できる効果がまったく違ってきますので注意してみてください。